善玉の欲

  • 投稿 : 2009 年 11 月 30 日

家庭内にゴタゴタ続きの友人が、「欲を捨てようと思う、そうすれば楽に生きられる」と、悟ったような口調で言いました。さる有名な宗教家の本を読んでそう思ったのだとか。欲というのは捨ててしまえば確かに楽かもしれません。欲さえなければ、あるがままを受け止めるだけですから泰然自若として生きてゆけそうです。

でも、彼女のそんな言葉を聞きながら、まだ50代なのに、ここで欲を捨ててしまって良いものだろうか、欲するものを手に入れるという情念こそが、生きている証なのではないか、飛躍への足がかりになるのではないかとふと思ったりもしていました。あと30年近い人生、欲もなく、ただただ平穏無事だけを目標に生きるということに、私は賛成できずにいます。「足るを知る」という言葉がありますが、それは身の程知らずの欲求を諫めるものであって、欲を捨てよということではありません。どこまでも貪欲に生きる、そんな生き方も素晴らしいのではないでしょうか。欲に振り回されてしまうようであれば、それは生き方、考え方に根本的な問題を抱えているのです。

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